COLUMN/コラム
からだにやさしい冷暖房
はじめに
冷暖房は温熱環境を整えるためのものですが、目標とする室温にできるかどうかが問われる反面、快適性についてはこれまであまり目を向けられてこなかったのではないでしょうか。
弊社は温熱環境が健康に繋がると考えています。そのためには適切に冷暖房を使用しなければなりませんが、既存の冷暖房に悩みを抱えた方が多くいらっしゃいます。
暖房であれば温風による乾燥、独特の不快感、目のかゆみなどが挙げられ、冷房であれば局所的な冷えすぎ、カビの臭いなど実に様々な問題が存在しています。
室温が維持できていたとしても不快感を抱えたままでは別のストレスが発生し、不快であるから使用を控えるということになれば冷暖房の意味を成さなくなってしまいます。現に昨今問題になっているのは夏季の熱中症による死亡事故です。不快であるため冷房を使用せずに亡くなってしまう方が後を絶ちません。
こういった痛ましい事故を起こさないためにも冷暖房には快適性が求められていると弊社は考えています。そして快適であるとはどういうことかを考え続け辿り着いた答えが「からだにやさしい」ということです。
からだにやさしいとはどういうことか
下図は2009年8月27日に輻射式冷暖房とエアコンの冷房実測[図1][図2]によりPMV(予測平均温冷感申告)※1とPPD(予測不満足者率)※2を示した数値です。[図3]
※1快適範囲は-0.5~+0.5と言われており0に近いほど快適な温熱環境になります
※2で求められた環境で不快に感じる人の割合
図2における縦軸は壁などの表面温度の平均値から空気温度を差し引いた数値です。人が感じる温熱感は気温・湿度・気流・輻射(放射)・代謝・着衣量の6つとされており、その中でも気温・湿度・輻射(放射)は大きな要素で熱中症指数(WBGT)もこの3つの要素で構成されています。
輻射(放射)は太陽の日光に代表されるように物体同士で直接熱のやり取りをします。輻射式冷暖房も同様に人だけではなく壁なども冷やすため外気温の影響を受けにくく、一日を通して安定した温熱環境になります。その結果、図3が示す通り輻射式冷暖房は一日のPMVが安定しておりからだへの負担が少なく快適であることが読み取れます。
下図は輻射式冷暖房とエアコンのPMVによる温度差を表しています[図4]
図4
輻射(放射)温度の違いからPMVが0であっても輻射式冷暖房とエアコンでは空気温度が1℃違っており上下の幅も異なっています。この結果に加えエアコンであれば風が直接当たることによる影響も大きく、風が直接当たり冷えすぎることによるクーラー病※3と言われる症状も問題になっていますが輻射式冷暖房の場合はそういった負担を感じることもありません。
※3冷えすぎによる自律神経の不調を指しますが正式な病名ではありません
おわりに
主に冷房に焦点を当ててきましたが、輻射式冷暖房は暖房も同様にからだへの負担が少なく長時間使用であっても快適に過ごすことができます。結果として適切な冷暖房の使用ができ、温熱環境が整うことで健康へと繋がっていくと弊社は考えています。
これからはただ冷やす、暖めるではなく冷暖房も健康面から考えてみてはいかがでしょうか。
審査委員の評価コメント(要約)
ヒートポンプを熱源とした輻射パネルルーバー冷暖房システムは、エアコンが苦手な人にとって期待される。風や乾燥、ホコリがなく静かな運転で、清潔感のあるデザインが室内に馴染みやすい。
フィルター清掃が不要で、パネルの清掃も簡単。電気的駆動部がないため、長寿命で故障時の交換も手軽な点もユーザーには喜ばしい。